平成28年度 富山県済生会高岡病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 273 58 93 180 205 259 652 778 710 205
【定義】
・一般病棟の入院時年齢階級別(10歳刻み)の患者数を示したものです。
・年齢階級は90歳以上を1つの階級として設定してあります。

【解説】
 富山県西部の高岡市と射水市、氷見市から成る高岡医療圏の急性期病院として、救急医療、高度専門医療を提供するとともに、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟を有し、回復期医療を担っています。また治療にあたっては、チーム医療を推進するとともに、手厚い看護を実施し、安全で質の高い医療の提供に努めております。
 当院では出産件数が多く、0代の患者さんの多くは当院で出生した新生児で、母乳性黄疸の症例が多くなっています。
 10代、20代は患者数は少ないですが、肺炎などの呼吸器疾患や虫垂炎などの消化器疾患が多く、30代、40代は女性の患者さんが多く、その中でも出産に関する症例や婦人科系の症例が多いのも当院の特徴です。50代、60代は虚血性疾患や関節に関する疾患などが多くなっています。70代、80代と高齢になるにつれ、虚血性心疾患、関節に関する疾患に加え、肺炎、心不全や骨折も多くなっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 59 34.66 21.25 30.51 86.14
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 54 3.43 3.06 0.00 66.61
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 53 8.64 4.71 0.00 69.09
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 47 19.53 12.43 10.64 73.83
050050xx99130x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等23あり 副傷病なし 38 4.63 5.94 0.00 68.08
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 誤嚥性肺炎、狭心症、腎臓または尿路の感染症の患者さんが上位を占めています。
 誤嚥性肺炎は高齢の患者さんが多く、重症化しやすいため在院日数が長くなっています。
 狭心症では、検査入院、手術入院があり、検査入院では、心臓カテーテル法による検査を行い、血管が狭くなっていないか検査します。
 血管が狭くなっていた場合は、カテーテルを用いた経皮的冠動脈ステント留置術等により治療を行います。
 開胸の必要がないため身体への負担が少なく、入院期間が短いというメリットがあります。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100380xxxxxxxx 体液量減少症 28 3.61 9.33 0.00 3.32
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 19 4.68 5.79 5.26 5.47
040130xx99x0xx 呼吸不全(その他) 手術なし 手術・処置等2なし 15 5.20 11.46 0.00 0.93
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 11 4.00 5.50 0.00 2.91
100250xx99100x 下垂体機能低下症 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 4.00 3.81 0.00 8.10
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 小児科の担当医が一人一人の患者さんについて情報交換を行い、状態を把握しています。
 脱水、肺炎や呼吸不全などの呼吸器疾患、急性扁桃炎、成長ホルモン分泌不全性低身長の患者さんが上位を占めています。
 呼吸器疾患では、冬季に流行するインフルエンザや肺炎等の感染症が多く、増加する傾向にあります。
 成長ホルモン分泌不全性低身長は、下垂体前葉ホルモンの1つである成長ホルモンの分泌不全によって生じる低身長をいい、検査入院する患者さんが多くなっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 22 26.09 15.92 0.00 71.95
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2なし 13 11.23 11.57 0.00 55.46
060020xx02x0xx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 11 39.09 17.65 0.00 68.73
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 11 12.45 6.82 0.00 59.18
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 11 13.91 7.61 0.00 68.82
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 結腸の悪性腫瘍、乳房の悪性腫瘍、胃の悪性腫瘍の患者さんが上位を占めています。
 各学会における疾患別ガイドラインに基づいた診療に加え、患者さんの性格や社会生活を考慮した上で治療方針を決定しています。同じ疾患・進行度でも、患者さんの年齢、性格、運動能力、社会生活、家族構成などは異なり、それに応じた治療を患者さんと共に考え選択し実践することを診療方針としています。
 最近増加しつつある乳癌の診療にも力を入れており、乳房レントゲン撮影装置を導入し、マンモグラフィ検診精度管理中央委員会の施設認定を受けています。同委員会の認定レントゲン技師、読影認定医師が常勤し、乳房のレントゲン撮影は女性技師が行っています。 
 胆嚢結石、胆嚢炎、虫垂炎、腸閉塞などの消化器疾患やウイルス性腸炎など幅広い診療を行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070343xx02x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 内視鏡下椎弓切除術 手術・処置等2なし 121 22.26 12.08 0.00 71.73
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 107 21.93 26.26 0.00 75.02
070350xx01xxxx 椎間板変性、ヘルニア 内視鏡下椎間板摘出(切除)術等 95 16.87 10.90 0.00 61.00
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 53 18.47 24.42 0.00 66.74
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 50 43.62 27.63 8.00 80.62
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 腰部脊柱管狭窄症、変形性膝関節症、腰椎椎間板ヘルニア、変形性股関節症、大腿骨骨折の患者さんが上位を占めています。
腰部脊柱管狭窄症は神経の束の通り道である脊柱管が狭くなっている状態、
変形性膝関節症、変形性股関節症は変形性関節症のため関節が破壊されている状態、
椎間板ヘルニアは、椎間板(髄核とその周りの線維輪)の髄核が線維輪から飛び出した状態をいいます。
 患者さんの個々の状態を痛みなどの症状のみでなく、家庭環境や心理状態などを考慮した手術計画を作成し、手術前からリハビリテーションの指導、術後の早期リハビリテーションを実施しています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 57 5.58 6.18 0.00 0.00
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 24 10.83 9.88 0.00 35.04
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 18 7.44 6.29 0.00 42.67
120140xxxxxxxx 流産 18 1.28 2.43 0.00 32.72
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 17 7.71 6.42 0.00 45.71
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 当院で出生した新生児疾患、出産、子宮・卵巣の良性腫瘍の患者さんが上位を占めています。
 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害とは、母乳性黄疸や低出生体重児などが該当します。産婦人科と小児科で連携し対応しています。
 胎児及び胎児付属物の異常には、既往帝王切開後や骨盤位による帝王切開分娩が該当します。正常分娩と合わせた出産件数は平成28年度は244件となっています。
 また、WHO・ユニセフによる『赤ちゃんにやさしい病院』に認定されており、カンガルーケアや母子同室制、母乳ケアなど、赤ちゃんだけでなくお母さんに対しても優しさを提供しています。
 卵巣の良性腫瘍は、患者さんの身体の負担軽減を考慮し腹腔鏡により卵巣の腫瘍を切除する患者さんが多くなっています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 14 28.86 16.54 14.29 75.00
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 24.90 11.83 0.00 83.30
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - 10.00 7.52 16.67 53.67
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病1あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 - 46.75 18.76 0.00 66.00
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし - 11.67 9.87 0.00 87.33
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 脳梗塞、慢性硬膜下血腫、頭部外傷といった様々な脳神経疾患を診療しています。その中でも脳卒中の急性期病変の脳梗塞が多くなっています。
 ほとんどの症例では発症24時間以内に入院することが多く、脳保護療法として活性酸素除去剤を用いて活性酵素を低減し、脳梗塞による被害を可能な限り軽減させます。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 ほとんどが白内障手術目的の患者さんです。白内障の水晶体再建術はDPC/PDPSではなく、短期滞在手術等基本料3にて算定するため、今回の統計では反映していません。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 17 3.88 5.50 0.00 46.47
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 16 6.75 5.24 0.00 67.00
030428xxxxxxxx 突発性難聴 11 8.09 9.37 0.00 66.82
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 - 9.00 8.12 0.00 13.22
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 - 6.00 7.47 0.00 56.00
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 扁桃周囲膿瘍、耳性めまいやメニエール病などの前庭機能障害、突発性難聴、慢性扁桃炎、慢性副鼻腔炎、顔面神経障害が上位を占めています。
 めまい、難聴、耳鳴の原因については神経耳科的検査を行うとともに、脳神経外科と連携して検査、治療を行います。
 扁桃周囲膿瘍や慢性扁桃炎では、高熱やのどの痛みにより水分補給や食べ物の飲み込みが困難となった場合に入院して点滴治療を行い症状改善を図っています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 27 10.70 8.96 0.00 67.26
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 17 12.12 11.97 11.76 69.76
080090xxxxxxxx 紅斑症 - 6.89 10.37 0.00 47.78
161000x199x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷(Burn Index10未満) 手術なし 手術・処置等2なし - 27.33 12.64 0.00 54.67
080110xxxxx0xx 水疱症 手術・処置等2なし - 34.50 30.11 0.00 81.50
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 帯状疱疹は抗ウイルス剤の点滴・内服を行い、疼痛の強い人では当院のペインクリニックに紹介して治療しています。
 急性膿皮症は丹毒や蜂窩織炎等が該当しますが、当科では蜂窩織炎の患者さんが多くなっています。蜂窩織炎は細菌により皮下組織まで急性化膿性炎症が広がり、境界不鮮明な紅斑、腫脹、熱感、疼痛を伴います。外来治療では十分な治療を行えない場合は入院治療を行います。
 紅斑症、熱傷、水疱症など幅広く対応しております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術 18 11.06 9.98 0.00 71.17
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 11 10.82 7.44 0.00 74.82
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 副傷病なし - 2.80 7.08 0.00 67.40
11012xxx99xx0x 上部尿路疾患 手術なし 副傷病なし - 3.60 5.25 0.00 43.40
110080xx01x0xx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし - 23.33 13.39 0.00 71.33
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 前立腺肥大症、膀胱腫瘍、尿管結石、前立腺癌が上位を占めています。
 前立腺肥大症は前立腺の過形成による腫大・排尿障害を主とし、経尿道的前立腺手術をする症例数が1番多くなっています。
 膀胱癌に対しては内視鏡的に経尿道的切除を行っています。術後は再発予防として抗癌剤による膀胱内灌流を施行する場合もあります。
 前立腺癌に対しては開腹による前立腺全摘を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 17 - - - - 5 1 7
大腸癌 17 13 15 - - 6 1 7
乳癌 13 13 - - - 5 1 7
肺癌 - - - - - 2 1 7
肝癌 - - - - - 4 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
・初発患者はUICCのTNMから示される病期分類による患者数を、再発患者(再発部位によらない)は期間内の患者数を示したものです。
・患者数は延患者数となっています。

【解説】
 当院は、「がん診療連携拠点病院」と同様にがんに対する集学的治療の実施が可能と判断され、在宅がん患者さんに対する療養支援の実績も認められ『富山県がん診療地域連携拠点病院』に指定されています。 
 胃癌、大腸癌、乳癌では早期であるⅠ期の患者さんの割合が多くなっています。癌の治療に関しては、各学会でそれぞれの疾患について診療ガイドラインが定められ、癌の種類や進行度に応じて治療方法を選択し、手術や化学療法など患者さんの状態に合わせた幅広い治療を実施しています。緩和ケア目的の患者さんも受け入れており、在宅訪問看護も行っております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 27 12.41 50.67
中等症 97 22.55 77.40
重症 13 18.15 88.15
超重症 - 24.20 86.40
不明 - 0.00 0.00
【定義】
・入院契機傷病名および最も医療資源を投入した傷病名に対するICD-10コードがJ13~J18$で始まるものに限定してあります。インフルエンザ等、ウイルス性肺炎、誤嚥性肺炎は除きます。
・重症度分類はA-DROPスコアを用いています。
・市中肺炎とは普段の社会生活の中でかかる肺炎のことです。

【解説】
 年齢が高いほど、重症度が高くなる傾向にあります。
 患者さんが最も多いのは中等症、次いで軽症となっています。軽症の患者さんが平均年齢50歳代であるのに比べ、中等症の患者さんでは、平均年齢が77歳と高齢になっており、市中肺炎は年齢が上がるごとに重症化していることがわかります。
 成人市中肺炎診療ガイドラインでは軽症の患者さんは外来治療となっており、入院加療の適応ではないことがあります。しかし軽症の患者さんでも、先天疾患があったり、癌の既往があったりして重症化を危惧され入院となるケースもあります。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 - 7.50 78.50 0.00
その他 - 0.00 0.00 0.00
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - 0.00 0.00 0.00
その他 - 0.00 0.00 0.00
I63$ 脳梗塞 3日以内 56 42.05 77.73 11.76
その他 12 41.58 75.92 2.94
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - 0.00 0.00 0.00
その他 - 0.00 0.00 0.00
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - 27.50 80.00 50.00
その他 - 0.00 0.00 0.00
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - 0.00 0.00 0.00
その他 - 0.00 0.00 0.00
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - 0.00 0.00 0.00
その他 - 0.00 0.00 0.00
【定義】
・最も医療資源を投入した傷病のICD-10別に集計したものです。
・発症日から「3日以内」「その他」に分けた数値を記載してあります。

【解説】
 I63$脳梗塞に分類される症例の割合が高く、特に発症日から3日以内の急性期脳梗塞患者さんが7割以上を占めています。平均年齢は77歳と高齢の患者さんが多くなっています。
 急性期の治療が終わったあとは病態に応じて当院の回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟への転棟も可能です。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 97 0.06 1.03 0.00 63.93
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 65 3.14 6.23 0.00 69.18
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 31 8.23 8.03 6.45 68.90
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 12 1.50 4.58 0.00 67.92
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 10 5.30 19.30 0.00 84.40
【定義】
・同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもののみ集計したものです。
・複数の診療科に転科している患者さんがそれぞれの診療科で手術を行った場合、様式1にある「医療資源を最も投入した傷病名」の診療科として、主たる手術のみを集計します。
・輸血関連は除外します。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術および全ての加算は除外します。
・術前日数は様式1開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1終了日までの日数となっています。

【解説】
 大腸ポリープ、循環器疾患、腎臓疾患に対する手術が上位を占めています。 
 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術は大腸ポリープや大腸腫瘍に対して内視鏡下において切除する手術です。
 経皮的冠動脈ステント留置術は、狭心症や急性冠動脈症候群に対して、狭窄部をバルーンで拡張し、内腔側からステントで補強する手術です。
 血液透析を行っている患者さんは透析をする際に十分な血液量を確保するためにシャントを造設します。経皮的シャント拡張術・血栓除去術はそのシャントが狭窄した場合に行う手術です。
 経皮的カテーテル心筋焼灼術は、心房細動や心房粗動など不整脈に対して、経皮的に特殊なカテーテルを不整脈の原因となる箇所に到達させ、カテーテルから高周波電流を流し心筋を焼灼して不整脈を根治する手術です。
 ペースメーカー移植術は、完全房室ブロックや洞不全症候群など徐脈性不整脈に対して、ペースメーカーを埋込む手術です。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 29 0.03 1.24 0.00 72.86
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 27 1.26 4.26 3.70 68.22
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 21 1.43 8.86 0.00 63.95
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 18 3.39 17.94 0.00 71.11
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 10 1.20 4.40 0.00 63.70
【定義】
・同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもののみ集計したものです。
・複数の診療科に転科している患者さんがそれぞれの診療科で手術を行った場合、様式1にある「医療資源を最も投入した傷病名」の診療科として、主たる手術のみを集計します。
・輸血関連は除外します。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術および全ての加算は除外します。
・術前日数は様式1開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1終了日までの日数となっています。

【解説】
 大腸ポリープ、鼡径ヘルニア、大腸癌などの消化器疾患、乳がんに対する手術が上位を占めています。
 患者さんの負担が少ない低襲侵な手術方法として内視鏡、腹腔鏡を用いた手術に積極的に取り組んでいます。傷が小さい、痛みが少ない、手術によっては早期退院が可能であるなどの利点がある手術方法です。
 同じ疾患・進行度でも、患者さんの年齢、性格、運動能力、社会生活、家族構成などが異なるため、一人一人に応じた治療を患者さんと共に考え選択、実施することを診療方針としています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 166 1.08 20.16 0.00 72.40
K131-2 内視鏡下椎弓切除術 147 2.53 19.09 0.00 71.47
K134-22 内視鏡下椎間板摘出(切除)術(後方摘出術) 103 2.48 15.60 0.00 62.02
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 27 5.74 41.48 3.70 80.30
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 24 7.50 29.13 12.50 81.54
【定義】
・同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもののみ集計したものです。
・複数の診療科に転科している患者さんがそれぞれの診療科で手術を行った場合、様式1にある「医療資源を最も投入した傷病名」の診療科として、主たる手術のみを集計します。
・輸血関連は除外します。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術および全ての加算は除外します。
・術前日数は様式1開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1終了日までの日数となっています。

【解説】
 変形性関節症や脊椎疾患、骨折に対する手術が上位を占めています。
 手術手技の工夫や改良に力を注いでおり人工膝関節全置換術後の良好な可動域獲得(膝屈曲角が平均137度)など優れた成績が得られています。人工股関節置換術は前方進入法で最小侵襲手術を行っています。
 椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症のみならず、通常では脊椎固定術が必要な頚椎疾患や腰椎疾患に対しても内視鏡手術で対応しており低侵襲で術後の回復が早いのが特徴です。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 20 2.55 8.70 0.00 35.20
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 19 1.00 5.79 0.00 44.00
K907 胎児外回転術 16 0.00 1.00 0.00 32.19
K9091 流産手術(妊娠11週まで) 16 0.00 0.06 0.00 32.69
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 12 1.00 6.75 0.00 49.58
【定義】
・同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもののみ集計したものです。
・複数の診療科に転科している患者さんがそれぞれの診療科で手術を行った場合、様式1にある「医療資源を最も投入した傷病名」の診療科として、主たる手術のみを集計します。
・輸血関連は除外します。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術および全ての加算は除外します。
・術前日数は様式1開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1終了日までの日数となっています。

【解説】
 既往帝王切開後や骨盤位による帝王切開術、卵巣腫瘍や子宮癌、子宮筋腫などに対する手術が上位を占めています。
 当院はWHOおよびユニセフが推進する『赤ちゃんにやさしい病院』の認定を受けており、助産師による積極的な母乳ケアを行っております。
 子宮筋腫などの良性疾患に関しては、子宮鏡や腹腔鏡を用いた内視鏡手術や腹部に傷を残さない膣式手術を積極的に取り入れ、負担の少ない低侵襲手術を基本としています。傷が少しでも小さくなるように努力しますが、最終的にきれいな傷となるようにも心懸けて皮膚縫合を行っております。
 卵巣癌、子宮癌などの悪性疾患に関しては、日本婦人科腫瘍学会の治療ガイドラインを基に十分な話し合いを行った上で決定した治療方針に沿って、手術、化学療法を行っていきます。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 10 1.00 22.90 0.00 83.30
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - 25.78 41.56 77.78 78.44
K164-4 定位的脳内血腫除去術 - 4.25 61.00 75.00 76.25
K1742 水頭症手術(シャント手術) - 13.00 66.00 50.00 67.50
K190-4 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ交換術 - 0.00 6.50 0.00 53.00
【定義】
・同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもののみ集計したものです。
・複数の診療科に転科している患者さんがそれぞれの診療科で手術を行った場合、様式1にある「医療資源を最も投入した傷病名」の診療科として、主たる手術のみを集計します。
・輸血関連は除外します。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術および全ての加算は除外します。
・術前日数は様式1開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1終了日までの日数となっています。

【解説】
 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は、軽い外傷など受傷後数週間から数ヶ月後に硬膜とくも膜の間にできた血腫を治療する手術です。
 脳梗塞後遺症などにより嚥下が困難となった患者さんを対象に、他の診療科と連携して胃瘻造設術をします。
 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用埋込型ポンプ交換術は痙性斜頸、顔面痙攣などの痙性麻痺に対して、持続的に髄腔内に薬剤を注入するために埋め込んだポンプを交換する手術です。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 88 0.00 2.03 0.00 74.51
【定義】
・同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもののみ集計したものです。
・複数の診療科に転科している患者さんがそれぞれの診療科で手術を行った場合、様式1にある「医療資源を最も投入した傷病名」の診療科として、主たる手術のみを集計します。
・輸血関連は除外します。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術および全ての加算は除外します。
・術前日数は様式1開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1終了日までの日数となっています。

【解説】
白内障に対する水晶体再建術を主に行っています。
 平成24年8月から光干渉断層装置が導入され、加齢黄斑変性症の治療として抗血管内皮増殖因子薬の硝子体内注射にも取り組んでいます。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 19 1.53 8.37 0.00 71.05
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 14 1.71 8.14 0.00 74.64
K771 経皮的腎嚢胞穿刺術 - 0.25 1.00 0.00 74.00
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - 2.50 8.50 0.00 62.00
K843 前立腺悪性腫瘍手術 - 2.50 19.50 0.00 70.00
【定義】
・同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもののみ集計したものです。
・複数の診療科に転科している患者さんがそれぞれの診療科で手術を行った場合、様式1にある「医療資源を最も投入した傷病名」の診療科として、主たる手術のみを集計します。
・輸血関連は除外します。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術および全ての加算は除外します。
・術前日数は様式1開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1終了日までの日数となっています。

【解説】
 前立腺肥大、膀胱癌、前立腺癌、腎癌、尿管・膀胱結石に対する手術が上位を占めています。
 経尿道的前立腺手術は前立腺肥大症に対して行われ、尿道から専用内視鏡をいれて前立腺の中身を切除します。
 膀胱悪性腫瘍手術は外尿道口より内視鏡を挿入し、ビデオカメラ下で膀胱腫瘍を切除します。術後は再発予防として抗癌剤による膀胱内灌流を施行する場合もあります。
 前立腺悪性腫瘍手術は、開腹による前立腺全摘を行っており、手術創は比較的小さく、術後の鼡径ヘルニア防止術を同時に施行しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - 0.00
異なる - 0.18
180010 敗血症 同一 - 0.03
異なる - 0.26
180035 その他の真菌感染症 同一 - 0.00
異なる - 0.03
180040 手術・処置等の合併症 同一 40 1.17
異なる - 0.03
【定義】
・最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固(DPC6桁130100)、敗血症(DPC6桁180010)、その他の真菌症(DPC6桁180035)、手術・術後の合併症(DPC6桁180040)について、入院契機病名(DPC6桁レベル)の同一性の有無を区別して症例数を示したものです。
〇DPC6桁
14桁あるDPCコードのうち6桁で集計しています。DPCコード6桁とは病名による分類を表しており、治療方法は分類に関連しません。
〇播種性血管内凝固
感染症などで起こる全身性の重症な状態です。治療に大きな医療資源が投入されるため、該当するDPCで高額な点数が設定されています。
〇敗血症
感染症などで起こる全身性炎症反応の重症な状態です。治療に大きな医療資源が投入されるため、該当するDPCで高額な点数が設定されています。
〇真菌症
真菌による感染症です。
〇手術処置などの合併症
手術や処置など一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが上げられます。合併症はどのような術式でもどのような患者さんでも一定の確率で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。

【解説】
 手術・処置等の合併症は、透析シャント狭窄(心臓及び血管のプロステーシス,挿入物及び移植片のその他の合併症)が多くを占めています。
 手術・処置等の合併症についてはほとんどがDPC病名と入院契機病名が同一である症例ですので、手術・処置等の合併症を主訴として入院され、治療を受ける患者さんがほとんどです。
更新履歴
2017/09/28 公開しました。